林和彦の公開日記

2009年6月30日（火)　失態
　午前中、東京大学で打ち合わせ。ざっくばらんに良い情報交換をさせていただいた。初めての食堂で「赤門ラーメン」を食べる。
　14時半過ぎに戻ってきたら、失態に気づく。13時から研究室のスタッフミーティングをすっぽかしていたのだった。既に終わっていた。実はそれには伏線がある。東京大学との打合せの日程を決める際に、手帳に13時に丸印がついていたが用件は書いていなかった。何だったかなと考えても思い出せない。代替日があまり無かったのもあり、わからないものはしょうがないと、午前中に予定を入れてしまった。本来、リスク管理をするならば、安全をみて13時までに戻ってきて部屋に待機していれば、多少はましだったのに。結局そうしないまま忘れてしまっていた。

2009年6月29日（月)　生コン工場見学
　午前中、生コン工場の見学に行った。学生７名を連れて。いつも利用している生コン屋さんで、隅々まで隠さず見せていただいた。普段は見せないような、スロープのベルトコンベヤの中も歩かせていただいた。とにかく自信を持って説明していただいた姿が印象的であった。
　最後に試験室にも入れてもらった。スランプ水密板と空気量測定器を水平にする治具は、本学では使っていなかったが（水平にすることは教えている）、でこぼこでは駄目だということを視覚的に示すための教育的配慮から使うことは必要かなと思った。

　夕方、ある用事で３時間、実験室で学生につきあう必要があり、その空き時間を利用して最近実施している実験室整備の続きを行った。２つの機械についてキャスターの設置が完了した。これで、一連のキャスター化が完了しただろうか。しかし、その後部屋に戻ってふと思い出したのは、ミキサーから排出したコンクリートを入れる『トロ舟』（いろんな人がいろんな呼び方をするが、一番良い呼び名は何だろう？）を、ずりずりと引きずっているのが腰を痛めるということ。他大学では、特注品で金属製のトロ舟にキャスターをつけていたのを思い出した。本学では、プラスチック製のトロ舟をたくさん購入し、同時に多種類のコンクリートを練ったり、骨材の管理に使っている。そのまま利用することとし、キャスターのついたフレームの上に載せるようにしよう。金属で業者に作ってもらうか、自作で木で作るかのどちらかだろう。
　ちなみに、使っているトロ舟は、商品名はプラ舟であることがわかった。

2009年6月26日（金)　カヌー出現
　朝から学生がカヌーの型枠作りに精を出している。削った発泡スチロールまみれになりながら。私は午前中は実験室で別件の作業があり、傍目にカヌー作りを見ながら従事。夕方来て見ると、見事な発泡スチロール型枠ができていた。お疲れ様。
　昼は、ゼミで安全教育。細かいルールの前に、基本的な取り組み姿勢を教育する方が効果的だと考え、それをしたつもりだ。言っていて思い出したのだが、救急箱の整理が、昨年からおざなりになっていた。これはすぐにでも動かなければ。やることリストにすぐに入れた。ただしこのように、一人が思いついて動くのではなく、システム化されるのが良いのだが。

2009年6月25日（木)　明日は安全教育
　明日のゼミは安全教育。実質40分しかないので、今年は40分でちゃんと終わるようにメニューを考えている。ほぼ固まった。近年、あれもこれもと盛り込んで90分の講演資料になっていたので、見直しをかけることにした。研究室ゼミでは、数回に分けて短く、毎回テーマを分けて情報提供するように改善したいと思っている。

2009年6月25日（木)　モチベーション
　午前中は、４年生が作った梁の載荷実験。英語の文献を読む中で、せん断破壊がテーマであったため、実際にやってみよう（教員からやれるように指示？）ということになったためである。今回は、どうしてもやらされている感はあるようで、学生によって、大きくモチベーションが違うのが見て取れた。予想通り、せん断破壊で終了だったが、何を感じただろうか。ただ、近年のうちで前期のこの時期に、構造実験を実施した意義は大きい。一度経験しておくと、構造実験に対する敷居は大きく下がるはずなので、良い結果を与えると思う。

2009年6月24日（水)　学生実験終了
　午前中は、ある企業の方から技術的な相談を受ける。色々な事例を聞いて自分自身もよい勉強になった。

　午後、学生実験の最終回、第６回目が終了。25分超過したが、これでも同じ回に比べ短縮にはなっている。今日はＴＡの半分が別の講義のために抜ける日で、色々と私の段取り不足の面も露呈したが、皆の助けを受けて何とか終わった。私が載荷やクレーン作業等もやっているため、そのときにＴＡの学生が臨機応変に動いてくれたのが、とても嬉しかった。とにかく、ＴＡの学生や補助してくれた学生は、３ヶ月間お疲れ様でした。早いうちに打ち上げをしましょう。明日は４年生が、梁の載荷を行うので、まだ終わった気がしないが、これはもう４年生に任せるので何とかして下さい。もちろん立ち会いますし、アドバイスします。

2009年6月23日（火)　探し物
　今日は、どちらかと言うと事務的な処理で１日が過ぎた気がする。トラブルも発見し、その対処にちょっとだけ追われた。事務手続き上のミスであるが、組織と組織の間での盲点だったと思う。チェック機能も働いていなかった。これはこれで、学生に不利益が被らないように現時点で取れる最大限の対処をすると同時に、再発しないように具体的な策を考える。
　夕方、溜まっていた資料の整理をした。少し前に読もうと思って付箋をつけた論文集や学会誌の専門記事に再度目を通し、必要性を再確認した。これは、届いたらまずはざっと目を通し、必要だと感じたところ、面白いなと思ったところを付箋をつけておき、後でじっくり読むためだった。とはいえ、そのまま止っていて今再び手に取ったところだった。今日は時間が無いので、明日熟読やコピーをしよう。
　学生から探すように頼まれていたコンタクトチップが、どうしても見つからなかったので、今日注文した。そしたら、資料の整理中にひょっこり出てきた。そもそも年中を通じてコンスタントに利用するものなので、無駄にはならないものの、あと数時間早ければ、と思う。マーフィーの法則にありそうな話だ。

　別件で、業者と軽い打合せの中で、研究のヒントを得た。

2009年6月22日（月)　コンクリート研同窓会は7/11(土)
　JCI札幌から帰った翌日の、7月11日(土)はコンクリート研究室同窓会です。14時半から土木同窓会総会があり、そのまま、同じ建物で立食パーティーで行います。場所は、ワークピア横浜（http://www.workpia.or.jp/）です。
　同窓会事務局の方に手一杯で、コンクリート研同窓会の連絡が遅れ、ＯＢＯＧの方には今日という直前連絡で申し訳ありません。これを読まれた方で今日送信したご案内メールが届いていない方がいらっしゃればご一報下さい。
　例年は参加されていない遠方の方は、横浜開国博覧会Y150に併せてお越し下さい。

2009年6月22日（月)　生コン工場見学　満員御礼
　生コン工場見学は、29日午前となり、私と学生７名の定員一杯になりました。終了後、直帰でもいいですが、近くにお勧めのうどん屋があり、５年ほど行っていないので訪れたいです。学生や独身時代は良く行っていました。讃岐で修行したそうです。

2009年6月22日（月)　学生実験作業
　午後から学生実験の準備。プレストレス導入とグラウト注入について、３回目ともなると学生の動きが違う。結構早めに作業が終了した。感謝。単に学生実験で終わるのではなく、ここでトレーニングされた実験・作業スキルが、今後の研究室の活動にプラスになることを信じている。

2009年6月22日（月)　実験室の改善「重量物の運搬」
　今月16日の日記でも触れたが、実験室での重量物の運搬に関する改善をしている。中程度の重さの可搬式の機械について、キャスターをつける等の改造を行い、人力で動かすことによる腰痛や落下の危険を排除する。複数ある対象物のうち、だいぶ目処が立ってきた。
　ただし、コアドリルの固定治具、ふるい試験機は、ずっしり重いことが性能の１つでもあるので、キャスターをつけたとたん機械が暴れだす。これについては、手動式フォークリフトを学内で無償で譲り受けることが先ほど決まり、それを用いて解決に向かいそうである。関係した先生、職員の方々、どうもありがとうございます。

2009年6月20日（土)　低圧電気取扱業務特別教育
　電気の安全について、電気工事士の資格を取ったからと安心していたら、それでは足りないことがわかり、早速「低圧電気取扱業務特別教育」を受講した。１日の講習に参加すれば良いものであるが、当初たいしたこと無いだろうと思っていたら、予想に反して、受けてよかった。それ程難しい内容は無いものの、感電の基本、具体的な事故事例など、知らないことが多かった。ここで得た知識は、直ちに工学研究院（所属部局）の安全衛生委員会にフィードバックされ、作成中のガイドラインの文面に反映した。
　電気工事士（通産省）と標記の特別教育（厚生労働省）は、管轄の省庁が違うため、２つ取らなければならない（但し、除外規定により一部の作業は片方でよい）のは、困ったものだ。自分の知識の無さを棚に上げて言うが、私のように電気工事士を取得して満足していた人が存在したことはやはり何かの情報提供が足りなかったのだろう。２つの資格のうち、前者は工事に関する技術的なことが多く、後者は安全に関する知識が多い。今回、非常にラフではあるが、実務において大切なことが網羅的に教育された。

　安全衛生関連の資格というと、大学から言われて嫌々取りに行くというイメージが付きまとう（良く聞く）が、実際には違うという感想を私は持っている。労働安全衛生法そのものが、実務の事故事例の蓄積により出来ているという側面があり、特に労安法に定められている特別教育については具体的事例が多く、非常にためになる。百聞は一見にしかず。

2009年6月19日（金)　カヌー・夏合宿／創造設計学
　カヌー、夏合宿の準備が着々と進んでいるようだ。昨日は、試験練りをやっているのをチラッと見たら、結構面白そうなフレッシュ性状。これぞチクソトロピー。物理の先生を実験室案内している時だったので、先生も興味を持っておられました。昨年のダクタルもみて、感心していました。
　昨日、今日と型枠について質問を受けたので、それぞれ別の人に答えました。実際に試してみるのがいいでしょう。過去の経験が無いのなら、実際にトライアルでやってもいいのでは。とはいえ、私の感想や着眼点は述べておきました。既に指摘はしましたが、そこで思ったのは、昨年と似たような形で、縦割りの弊害が既に出始めている所。他パートのことなのでそれ知らない、聞いていない、という発言が何度か出てきました。まだ動き出したばかりで連携が取れていないのだとは思いますが、各人がコーディネーターになって欲しいと思います。最終目標は決勝に出ること、であれば、さらにパート毎に具体的な達成目標（あまり個別論ではなく、包含的な目標）があると思います。その中で、今行動しようとしていることがその目標を満たしているか考えてみて下さい。

　これは何のための機能か、これにこだわる理由はなんだろうか、ということは常に問いかけて欲しいと思います。まあ、世の中で皆がそれができるとは限りませんが、そうやって物事を一般化して考える力は大切です。今、中尾政之著「創造設計学」を読んでいます。失敗学の畑村先生関連して研究されている先生です。私は、実験手法のアイデアは、人に比べてあるほうだとは思いますが、それは一体どういう所から来ているのだろうと思っていたら、中尾先生の提唱する、物事の機能は何かという本質を考えるところにあると思います。創造設計と提唱されています。私自身がこれまでに漠然と考えていたことが、非常に整理された形で書かれており、すっきりしました。これは、どんな工学の分野でも役に立つ考えだと思います。
　例えば、ある島へ渡るために橋をかける必要が出たとする。そもそも何故橋を架けるのだろう。人の行き来ができることが達成目標であれば、トンネル、船、ヘリコプターでは駄目だろうか。さらには、そこに住んでいる人が病院に行く必要があるということだけであれば、橋はかけずに島に病院を建設すればよいのかもしれない。極端な話、島民が対岸に移住することもあってもよい。要するに、結局は手段なので、そもそもの必要とする機能は何かを考える必要があるということです。

2009年6月18日（木)　茹でガエル
　わかっているけど手がつけられない仕事というものがある。今日だいぶ遅れていたものの中でずっと心に引っかかっていたものを数件片付けた。すべて結局は１０分で終わった内容、長くても気合を入れれば１時間で終わった内容であった。共に、月単位で遅れていたものである。ご本人にこの日記を読まれたら恥ずかしく、失礼に当たるかもしれないが、今の自分に正直言ってこれまで対応できなかった。日記に前にも書いたが、忙しいからできなかった、という言葉はできるだけ使いたくない。結局のところ、心からやりたいこと、切羽詰ったものは、どんなに時間が無くても人は結局取り組むのであるから。要は優先順位の設定の問題だ。多少甘えがあったのは事実である。
　例えば１ヶ月前に、この案件は１ヶ月先送りしようという判断は怖くてできなかっただろう。でも、気になりつつも１日、また１日と延ばすとあっという間に１ヶ月は過ぎてしまう。茹でカエルの考え方と同じか。茹で上がらないように、たまには冷水で引き締めなければ。

　さて、生コン工場見学は、早速３名から参加申し込みがあった。やろう。

2009年6月17日（水)　生コン工場見学したい
　今日届いた生コンは、スランプが小さく規準を満たしていなかった。返品可能であるが、講義中に打設するというミッションもあるので、学生には追加説明を加えてそのまま使用した。
　そもそも、生コンの実態というものは、色々と話を聞いているものの、外観程度しか見たことがなく、実際にどんな状態に管理した骨材を使っているのかなどの生の情報は見た事が無かった。今利用させてもらっている生コン会社は、前から技術力と誠意はあると感じており、一度全てを見せてもらうようにお願いして見学に行きたいと思い、これから計画することにした。トラックの洗浄、スラッジ水の扱いなど、教科書で読んだ事しかないので、実態を見てみたい。文字通りドロドロした世界かもしれない（触った感じが、です）。
　スランプが小さかったのなら、次は、流動化剤をその場で入れてスランプ改善、ということもやってもいいだろう。体験することも勉強である。

2009年6月17日（水)　学生実験のルールとは
　学生実験の様子は、早々と細田ブログに写真つきでアップされていました。ありがとうございます。
　内容を盛り込みすぎなのか、指導方法が悪いのか、規定の２コマでは終わらず、１時間ほど超過してしまいました。多分構造的に問題があるので、次回の改善に向けて良く考えます。また、ルールの徹底についても、改善したところもあれば、改悪（昨年気づいて現場で修正したところを、今回盛り込み忘れ）もあったことに気づきました。
　先日の示方書勉強会でインタビューしたＪＲ東日本の石橋氏のお話にもあった、規準を変える前に２年ほど実構造物を使って試行して粗探しを終えてから実際の規準に盛り込む、ということと重なりました。学生実験の本番前に実施した練習時には気づけませんでした。
　私が心がけようとしていることは、「改善は、終了直後に行う。次回になってからでは忘れている。」です。学生実験2008時にはそれができていなかったようです。この経験は、私が高校時代から登山を行っていることに基づいています。登山となると、大げさに言えば命を預ける道具と共に過ごします。その道具で不具合を見つけたら、必ず修正しなければなりません。それは帰宅後すぐに行っておかなければ、最悪の場合次に気づくのは次回の山の中なのです。よって、帰宅後に道具の修理や補充、やり方の改善等のフィードバックを行うことが自然と身につきました。

　半分冗談ですが、ブリッジコンテストの評価項目は、４つのポイントで競いますが、５つ目のポイントとして制限時間内に作ったか、というのを入れれば、必ず満たすように物事は動くものです。学生を時間で縛るというネガティブな考えもわかりますが、単にシステムということで見た際に、インセンティブを与えることにより望む方向に導くことができる、という考え方には学ぶところがあります。示方書というものは、そういった面を大きく含んでいます。お断りしておきますと、今のところ時間をポイントにするつもりはありません。

2009年6月16日（火)　持続可能ということ／実験室の改善「電気の接続」
　メンテナンスという言葉は、土木技術者にとっては構造物に対して頻繁に用いられる。良い構造物を作り、適切にメンテナンスし、構造物を長く使うということだ。良いものを作れば、コンクリート構造は本質的にメンテナンスフリーだという人もいる。要は、構造物が安全な状態で永続して保たれている状態が大切である。
　安全衛生では、安全な状態を保つことが命題として与えられる。どう間違っても危険になりうることがないこと、が理想であり、畑村洋太郎氏はそれを「本質安全」と呼んでいる。本質とは良く表していると思う。上記で言えばメンテナンスフリーであろう。

　午前中、学生との学生実験の準備のため実験室に出てきたついでに、最近懸案になっていた実験室の改善を進めた。200Vの電気を使用している器具には、固定機械を除いて運搬可能なものは、ミキサー３台、カッター、骨材クラッシャー、電動油圧ポンプがある。ミキサーについては、１箇所の電源に対してミキサー数台を入れ替えて使うが、だいぶ昔はその都度配電盤のコネクタを外していたため、①ブレーカー切り忘れによる感電、②ボルト締め作業の不備、③誤配線による機械の故障、というリスクが存在した（①と③の事故例は幸い研究室では過去に聞いたことは無い）。私が着任してからは、この作業は学生にはやらせるべきではないと考え、ソケット形式のコネクタによる接続に変更した。これは本質安全に近いものと思う。ミキサー以外の残りの２つは、配電盤を専用のものにしてそもそも取り外しができないように運用していたが、作業環境の変化に伴い、それをやめることにした。よって、共通のソケット式コネクタに変更し、今回全ての機材の接続方法の統一が完了した。

　そもそも、「気をつける」、「○○の手順を守る」、ということは、時がたつにつれて情報伝達が途切れたり、当初の思いが伝達されずに無視されることになる。人は、自分が作った手順はみんなが守ってくれるという前提で考えるのでそこまで考えが巡らないことが多い。わかる人は、そのことを良くわかっているだろう。真摯に、結局守られないという前提に立って、色々なシステムを考えるべきだ。私は単にマニュアル化ではなく、持続可能であることを念頭においている。

　その他、前から同時に検討しているのは、良く使う可搬式の機械を安全に移動させること。クレーンに頼ると、教員がいるときしか移動できないため、使い勝手が悪い。簡単に言えば、キャスター式に変更であるが、作業機械によっては、ちょっとやそっとでは動かないこと自体が性能というものもあるので、落とし所を検討中。

2009年6月15日（月)　構造勉強会／安全衛生
　都合数回欠席して、久しぶりに構造勉強会に参加。唯一振られた質問について、答えられず。実は事前に勉強した時、同じ問いかけをして解決していたのだが、質問を振られた際にはその解決がすっかり頭から抜けてしまっていた。しばらくして思い出した。とはいえ、これは言い訳であると共に、忘れるのも実力のうちで、身についていない証拠。本質的に理解するということは日々努力が必要。
　夜、安全衛生委員会関連で、溜まった仕事を処理してタイムアップ。担当部分を自分なりに工夫して処理しているが、単に組織の歯車として私が処理するのではなく、全体のシステム改善にどう貢献できるかを常に考えている。自己分析すると、安全衛生に関しての私のとりえは、①全体像の理解があること、と同時に幾つかの分野は②個別のことに熟知していること。公文書に近いものというと、一般的にはどうしても修辞に凝った表面的な記載が多いが、私は現場で活かせる知識の提供という観点で動いており、面白い提案書ができたのではないかと思っている。このような文書は、作って満足するのではなく、使われること、に重点を置いている。

2009年6月13日（土)　地元ヨコハマ・ヨコスカ見学会
　細田ブログ・見学会ブログに詳細は譲るとして、車２台の少人数の見学会を実施しました。家庭の事情で娘も同伴することとしたため、私は自家用車。これは出張にはならないので、私一家は何が起きても自己責任ということで自由参加扱いで着いて行きました。メインの細田カーは、学生５名を連れています。
　娘には、大学にあるいつもの池の亀を見に行こうということで話をつけて誘い出していたのですが、昼食の買い物で予想外に30分以上のロスがあり、大学に着いたのは出発10分前。さすがに２歳児に予定変更を納得してもらうことはできないので、走って池まで行き、実質3分間で持参したエサを亀にあげて娘は一応満足し、13時に集合。私の職場はここだと説明したところ、結構驚いていた様子。
　首都高に乗って、１つめの現場に着いた時には、日頃昼寝をしないのに、娘は運悪く（良く？）眠ってしまいました。ここでも45分ほど見学できる予定が、私は起きるのを待って実質20分ほどに減りましたが、この現場の要点は見えたように思います。日頃こんなのはよくあるトラブルです。夕方、猿島から戻ってきて、もう１ヶ所の公園（第三海堡が引き上げられて展示されているという）を見学する予定で、『公園』という言葉に喜んでいたのに、眠いのか、お腹が空いたのか、飽きたのか、急にぐずりはじめて、残念ながら我が家はリタイア。第三海堡の見学には行けませんでした。日頃大学では時間厳守など言っている私ですが、２歳児を抱える親としての私を見て学生はどう感じたでしょうか。家庭の父としての姿、大学教員としての姿、その両方とも私です。この件についてこの日はドタバタしていて話ができませんでしたが聞いてみたいと思います。家に着いたら、娘がけろっとして一言『あれ、公園は？』。まあ、昼間にちょっと昼寝をしてくれたお陰で、無事猿島まで行けたとポジティブに考えています。
　話は戻り、首都高の見学の後訪れた横須賀の町は、実は私は初めてでした。戦艦三笠は、『坂の上の雲』を読んだ人なら是非行きたいポイントの一つでしょう。今回それが実現しました。実質10分しか見られなかったので、近いうちに再訪したいと思います。本の詳細な内容は忘れかけているので、再訪の前にバルチク艦隊との戦いの部分だけでも再読したいですね。
　猿島は、土木遺産になっている、という情報だけで現地に乗り込んだところ、実に素晴らしい。軍事目的とはいえ、当時の構造物が、ジャングルのような森の中で苔むしながら残っている状態が、不思議に感じられた。一部、木の根が石垣やレンガをを乗り越えて成長している様子は、アンコールワットのよう。これも時間を空けて再訪してゆっくり堪能したい。

2009年6月12日（金)　ＪＲ石橋さんヒアリング
　示方書勉強会で、ＪＲの石橋さんにヒアリングを行った。２時間半、非常に濃密な時間を過ごした。詳細は後日。

2009年6月12日（金)　構造物の写真集／土木工学
　土木構造物の写真集が手元に幾つかある。良質なものを見つけたら、買うようにしている。自分自身も見ていて楽しいし、学生の勉強にも役立つし、美しい写真と共に土木構造物に興味をもつきっかけにもなるかもしれない。本は幾つかあるのだが、逸散しないように一度情報を取りまとめておこうと思う。研究室に専用の棚を作ってもよい。合宿の行程を決めるのに良く参照するので。
　土木工学という言葉が日本の世の中から消えつつあり、高校生が土木工学を学びたくてもどの学科に進めばいいかわからない状態になりつつある、という指摘を土木学会誌で最近読んだ。本学の本コースを受験する高校生も、必ずしもそもそも土木構造物は何か、ということがわからない状態の人もいるだろう。そんな時に、これらの本の情報は役に立つのだと私は考えている。
　近日中に整理します。いくつか絶版なのが悲しい。絶版にならないためには、売り上げが増えなければ。全国の大学で数冊ずつ揃えるだけでも結構な数に上るでしょう。
　あと、高校生向けに、『土木工学を学べるのは、○○大学△△学科、▲▲大学◆◆コース・・・・・』というような串刺し情報は必要ではないか。現在、各大学の土木工学系コースが、それぞれ単独で学生を集めようとするだけのような気がしている。情報整理という意味でもあってしかるべきではないか。業界としてやっているのだろうか。

2009年6月10日（水)　ひとまず終了
　あるプロジェクトというか、ある作業が終わった。準備をほぼ一人で担当し、データ処理に時間を費やされたりで、精神的にも厳しかったが一段落だ。とはいえ、当初想定していた時期よりも１週間以上遅れてしまい、関係者には申し訳ない。

2009年6月5日（金)　まずモノを見る、まず具体的に考える
　これも月並みな知見だとは思うが、何かを理解するためにはまず具体的なモノを見ることから始めると非常に効率がよい。百聞は一見にしかず、の実践である。先日の裏高尾橋の見学会もそう。
　先般からの３年生向けの学生実験にしても、「示方配合」を計算させたところで、自分たちが練るコンクリート・モルタルの計量という『感覚』から大きく離れてしまう。この『感覚』がとても大切なのである。まずは、練るものが先にありきで、セメント100g、水50g、・・・という風に具体的な形で触れてみて、ではちょっと水を増やすとどうなるかということから入ったほうが理解が深まるのは当然だ。配合の計算を経てしまうと、水を増やすとセメント量が減ってしまうわけで、感覚として何を変えたか良くわからなくなってしまうのだ。最終的には、自分たちが練ったコンクリートが、結局配合は幾らだったのかという逆算をすることができれば、今回の場合は十分であろう。
　他にも、まずモノを見せた方が具体的にイメージしやすいということで、細かい説明の前に先に実験結果を見せる、という風に幾つか変更を行うこととした。

2009年6月3日（水)　幼年期の記憶
　下記の首都高ウォッチング中、ふと30年近く前のことを思い出した。当時父の転勤で東京都世田谷区に在住していた。今、首都高速の大橋ジャンクションが作られている付近である。幼稚園時代なので、ひとりで屋外を出歩くことは無かったが、連れられて上に首都高速3号線の高架橋が走る国道246号を歩いた記憶がたくさんある。そのときの記憶は、ただ、怖かったこと。道路の周囲はビルに囲まれた上、上は首都高が走り、薄暗く、通行量が多くてうるさいのだから。
　単に思い出だけでその時の記憶がトラウマになっているわけではないのだが、違う路線だが30年ぶりに歩いていることが何だか不思議に感じられた。あの道路、あの構造物は当時とそれほど変わっていないのだから。良く考えると私がおぼろげながらにも構造物を意識した初めての記憶が首都高速道路だということに気づいた。
　その近くにある、世田谷公園は、良く遊びに行っていた。ミニＳＬも走っているのだが、未だにそれは残っている。私の子どもと一緒にそこを訪れる約束にしており、もうすぐ実現しそうだ。非常に楽しみである。

2009年6月3日（水)　首都高ウォッチング
　首都高速道路主催の首都高ウォッチングに横浜国大チームとして参加した。首都高の技術者とディスカッションしながら、数キロメートルを構造物を見ながら歩いた。歩いた区間は９割以上は鋼橋であった。何を見ればよいのか当初は不安であったが、排水不良による錆、汚れなどはコンクリートとは基本的に同じようである。汚れや表層塗膜の剥がれは、構造的には問題ないということで予算の関係上基本的には放置されるが、先日訪れたある建設現場と周囲の自然環境を考えたというデザイン（仮設物にも色を塗る）との違いはなんだろうと考えさせられた。自然環境も大事、都市環境も大事だが、その両立や線引きはどうだろう。

2009年6月2日（火)　長いブランク
　丸々２週間経過してしまった。日記にブランクができることが普通になってしまったのは痛いところだ。
　身の回りの仕事等をどうしても廻しきることができず、色々なところで遅れが出ている。日記の執筆もそう。物理的な執筆時間という問題もあるが、気持ちに余裕が無いことが日記を書く意識を削いでいるように思える。
　今日は（も）早起きして仕事をしていたが、煮詰まってしまったので１時間ほど散歩をした。もう帰らなきゃという時間になってよいアイディアが浮かんできた。とにかく精神的なバランスも必要だ。またこれも月並みなコメントになってしまった。
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