初日（８月２６日）
出国までは省略。後日書きます。
というわけで現在、関西国際空港発 ベトナム ホーチミン行きのベトナム航空の飛行機に乗っている。
いざ入国
時差のため時計を２時間遅らせた。これからはベトナム時刻。
１５時頃着陸。ベトナム最大都市ホーチミン市のタンソンニャット空港に着いた。社会主義国のため空港は重要な軍事施設ということで、写真撮影は禁止されているらしい。外は小雨が降っている。タラップを下りてバスで空港ターミナルへと向かう。最後のほうに飛行機を降りたのでもうすでに入国審査のための行列ができている。
書類を持って並んでいる最中、ふと周りを見るとみんな顔写真付きのＡ４の書類を持っていることに気づいた。写真は持ってきたけど、あんな書類なんて知らないぞ。そこで前に並んでいる日本人のおやじに聞くと、なんと「これはビザだよ。これがないと入国できない。」と言うではないか。え？ビザってパスポートに押してもらったやつじゃないのか？？？ ということは、ベトナムに入国できずに日本に帰されてしまうのか？？ 緊張と焦りと孤独感が襲ってきた。どうすることもできずにそのまま十数分待ってついに私の番がきた。入国できないのかとドキドキしながら持っている書類を差し出すと、書類が足りないから記入してこいと新しい書類を渡された。よかった、これさえ書けば入国できるのだ。さっきのおやじの一言でずいぶん焦ってしまった。なぜ私だけ持っていなかったんだろう。
その書類を後ろで記入し終わったものの、写真を貼るための「のり」が無い。勇気を出して空港の女の職員（もちろん民族衣装アオザイを着用）に尋ねる。緊張して声が裏返りそうになりながら「エクスキューズミー」。しかしその後が続かない。「写真をのりで貼りたいので貸して下さい」なんてどう訳せばいいんだ？？「アイ ウォンチュー ・・・はりたい」今考えると恥ずかしいのだが、その時は必死で、なんとか身振りで訴えかけようとした。そうすると通じたのか、相手は「ＯＫ！ＯＫ！」と言う。貼らなくてもいいと言っているらしい。行こうとすると、今度は別の女の職員がやってきて僕を離れたところにつれていきホッチキスで留めてくれた。これで何とか解決した。またまたべたべたの日本語で「サンキューベリーマッチ」。我ながら情けない発音だ。
再度、入国審査の列に並ぶ。僕がこうしている間に別の飛行機便が到着していて、周りはフランス人と韓国（？）人ばかりになっていた。10分程待ってやっと私の順番が来た。緊張して書類を差し出し、そのまましばらく待つ。入国審査官の机はやけに高く、顔しか見えない。さらに中の光が彼の顔に反射して異様な雰囲気を醸し出している。「俺の番はやけに長いぞ」と思っていると、やっと許可が下りて通された。やったー！ついにベトナム入国だ。本当にうれしかった。ずっと続いていた緊張が解けた。
次は荷物の受け取りであったが、ターンテーブルには僕の荷物はもう無く、離れた床に転がっていた。着陸してから１時間もたったのだから仕方がないかもしれないが、なんだか寂しかった。
税関を過ぎ、やっと空港の外へ。すると、そこには・・・
空港を出ると、柵の向こうにたくさんの人だかりができていた。みんな自分の方を見ている。タクシーの運転手らしいことは何となくわかった。客引きだ。あまりの熱気にたじろいでしまいそうだった。我に返った。そうだ、両替をしなければ。
すると、一人の運転手が英語で声をかけてきた。私は英語で両替をしたいというと、親切（かどうかわからないが）に連れていってくれた。なんだ、こんな近くにあるじゃないか。１０メートルほどの距離だった。私は日本円現金で１０万円持ってきた。とりあえず１万円を両替した。９７６３００ドン。一気にお金持ちになった気がした。
さっきの運転手は「７ドル、７ドル」と言ってきた。高い値段をふっかけてきたんじゃないのか？私はガイドブックに従って、高いタクシーには乗らずに、バイクタクシーに乗るつもりでいた。しかし、彼は私にガイドブックを貸せと言う。すると、彼が該当ページを見せてくれた。「タクシーは６、７ドル」ちゃんと書いてあった。相手の方が一枚上手だった。
半ば強引に、しかしそれを認めたくないので私は自分を納得させてタクシーに乗り込んだ。
運転手は英語でいろいろ話をしてくれた。英語は得意じゃなかったけど、がんばって話した。結構通じるじゃないか。それがうれしかった。
目的地は、有名なバックパッカーのための安宿が集まる「ファン・グー・ラオ通り」。タクシーはそこに着いたが、あるミニホテルの前だった。ここに泊まれと言ってきた。ホテルの人も出てきた。あぁ、そういうことだったのか。絶対この運転手リベートをもらっているぞと思いながらも、夕方になっているので宿を探すのも大変だと思って、ここに泊まることにした。多少高くても、次から安宿に泊まればいいだろう。