第２日目（８月２７日）
今日は「シクロ」という人力自転車タクシーに乗って市内観光をしている。同じホテルに泊まっているの人と途中から行動を共にしている。
光と影
昼食を食べるために、食堂に入った。周りはベトナム人ばかりで大衆食堂といった感じだ。シクロのおやじが勝手に注文してくれた。出てきたのは彼ら２人はカエル料理、僕ら２人はチキン、それに全体で１つ野菜スープ。テレビなどで見慣れているのでカエルを見ても別に驚かない。「ヌクマム」と呼ばれる魚から作られた醤油がベースで味は悪くない。しかし、チキンが骨付きのままぶつ切りになっていて骨が至る所に散らばっているため、口に入れる度に骨が引っかかって食べにくいことこの上ない。スープはトムヤンクンのように辛くて自分の口に合わないのだが、彼らは親切心からだろうが、容赦なしに私のお皿に入れてくれる。結局残してしまった。
代金は全体で５５０００ドン（約５５０円）であったが、僕ら日本人２人で彼らシクロの分も払わなければならないようだ。半分ずつ払おうとしたが私はドン札を持ち合わせていなかったのでとりあえず彼に払ってもらった。そのあと私がドルしかもっていないというと、３ドル払えばちょうど良いとシクロが横から口を挟んできた。多すぎるのではと思ったが、にっこりしながらそれでいいんだと言った。ガイドブックでベトナム人はどんぶり勘定的なところがあるというのは知っていたのだが、実際目の当たりにするとなんとも言えないものがあった。
食事をしていると、やたら物売りの少年少女や乞食が絶えずやってくる。はじめは無視していたが、シクロおやじは「恵んでやれ」という。５００ドンなどの小額紙幣がないというと、彼は僕の手の中から５０００ドン札（約５０円）を指さし、これでいいといって、結局乞食のおばあさんに５０００ドンをあげてしまった。相場からいえばあげすぎであることは、素人の僕から見ても明らかであった。彼らシクロは日本人は金持ちだという事をよく知っているのだろう。
その乞食のおばあさんは、去り際になんと僕の皿から食べ残しの肉を手でつかみ、食べてしまった。日本ではまず考えられないことであるが、ベトナムではこれが日常と言うのか？ ベトナム２日目にしてそのような光景を目の前で見て、ショックだった。
