午前５時半、ドアを「トントントン」。誰だこんな時間に。M君が帰ってきた。朝一番の列車でハノイに帰ってきたらしい。いる場所がないのでちょっと休ませてくれと言う。それにしてもこんな時間に起こされてしまって、リズムが狂ってしまった。
ホーチミン
結局起きたのは午前９時。ハノイに来て４日目にして、やっとまともに観光ができる。昨日は見ることができなかったホーチミン廟にシクロで直行。広場にはやはり物々しい雰囲気が漂っている。広場入り口でシクロを降りてからホーチミン廟に行く途中に、売店らしき建物がある。他人を見ていると、みんなそこで荷物を預けている。ガイドブックに書いてあったとおり、荷物・カメラの持ち込みは禁止のようだ。サンダルも厳禁と書かれていたが、欧米人はサンダルの人もいる。大丈夫だろうか。４０００ドンで荷物を預けてパンフレットをもらうと「１０分で取りに来い」と言われた。
欧米人７、８人のグループに続いて私一人がちょうどホーチミン廟の前に集まった。私たちは２列に並べさせられて守衛に続いて行進するように中に入っていった。女性がしゃべっていたら注意された。さすがに厳しい。しかし、サンダルをとがめることはなかった。中は、外の蒸し暑さとは対照的に、ガンガンに冷房が効いている。これは涼しいと言うよりも寒い。通路には絨毯が敷かれていた。ホーチミン永眠の部屋に入ると、通路はコの字型になっていて、中央にホーチミンは眠っていた。部屋の四隅１人ずつとホーチミンの側に４人、合計８人の守衛（兵士？）が直立不動で立っている。つい立ち止まろうとすると、「進め」と注意される。本物かどうかわからないが、ケースの中で冷凍保存されているような感じだ。
見学はあっという間だったが、貴重な体験をした。
次は、ホーチミン博物館。まず、思ったのは建物が巨大で豪華なことだ。社会主義国は、こんなところにはたくさん予算をつぎ込むのだろう。内部は、彼の生い立ちを示したものであるが、英語の解説が少なく、あまり理解できなかった。中に、喫茶コーナーというかパンケーキを売っていたので、ジュースと共に買って食べた。そういえばトイレは西洋式だった。ホテル以外でこの便座は初めて見た。
文廟に向かう。昨日ホーチミン廟前の広場で出会った兄弟に、ここはすばらしいから一緒に見に行こうと誘われた場所だ。地図を見ると近いので歩いていくことにした。しばらく歩くとそれらしき敷地についた。しかし、入り口がない。壁伝いに歩くこと１０分ほどでやっと入り口だ。地図を見ると、入り口とは正反対から歩いてきて結局半周したことになる。これだけ歩くことが分かっていれば、シクロに乗ってもよかった。まだお腹の調子が悪くて、またトイレに行きたくなった。入場料金は１２０００ドン。早速トイレを探した。きれいに掃除がされていてきれいだった。今回ベトナムの旅で一番きれいなトイレだった。ここは、１１世紀ベトナム最古の大学で、科挙試験に合格した人の氏名が刻まれた石碑がある。その石碑は、亀の上に乗った形をしていておもしろい。
とにかく蒸し暑い。
帰り道、ホア・ロー収容所を見た。ベトナム戦争時のアメリカ兵の捕虜収容所として使われた。ガイドブックには将来ショッピングセンターに生まれ変わる予定と書かれていたが、行ってみると建物の半分は取り壊しになっていた。
途中、市場に寄った。
１２時４７分、ベトナム航空オフィス。空港行きのバス券を買おうと思ったら、窓口の人がいない。そうだ、今は昼休みだ。そういえば銀行も昼休みは休みだった。
物売り
ホアンキエム湖の周辺でぶらぶらとショッピングをする。店の客引きや、絵はがき売り、新聞売り、ライター売りなど私についてくる。まるで金魚のフンのように、私が彼らを連れて歩いているようだ。ある少女がしつこくついてくるので、私が逃げるように店に入ると、私が出てくるまで彼女はじっと待っている。私が品物を買うまで、彼女はそれを繰り返そうとしていたが、あまりにも買わないのでいつしかいなくなった。
みすぼらしい服装をした子連れの親子が物乞いをしてくる。彼女にはポケットの小額紙幣を渡した。この国に来て心を悩ますのは、彼・彼女らの存在である。本当に貧しいのだろうか、それともそんな振りをして旅行者から金をもらおうとしているだけなのだろうか。その時は本当のことはわからないし、どうすることがベストなのかもわからなかった。しかし、そんな姿を見て、小銭を渡そうとしか考えつかなかった。今考えると、物売りの子も同様に貧しいのだろうが、全員に買ってあげるなんてことはできまい。
ベトナム兵士の帽子が欲しかった。ちょうど売ってくる親子がいたので、買うそぶりを見せないように注意して、安く買おうと考えた。交渉のあげく、１００００ドンになった。本当は高いかもしれないが、そのときは妥当な金額だと思い、納得して買った。帽子を渡してもらうと、なんか変だ。そう、真ん中にあるはずの星形のバッチがついていない。それを言うと、驚いたことに別売り。バッチ１個でなんと１００００ドン。これ以上まけられないと言う。完全にやられた。相手も引かないのでしょうがなく買うことにした。明らかにこの場合売り手が強い。２００００ドン札を出すと、お釣りは無いと言う。相手はバッチをもう１個あげるからと無茶を言う。しかし、数人に囲まれたのでおとなしく引き下がった。結局３００００ドンも使ってしまった。
その後も、小さな雑貨などを買った。カエルの楽器が気に入った。
２２時頃、首が痛くなったので仕方なく寝る。